Amazon Translateとは

Amazon Translate」はAmazonの提供する、ニューラル機械翻訳サービスです。

「ニューラル機械翻訳」とは、人間の脳の仕組みを模したニューラルネットワークによる機械学習を利用した機械翻訳です。従来の統計データや翻訳ルールベースの翻訳エンジンとは異なる、より正確で自然な翻訳を提供します。

2018年8月現在、東京リージョンには対応しておらず北米・欧州のリージョンのみで提供されていますが、日本語の翻訳には対応しています。

Amazon Translateの特徴

Translateには以下のような特徴があります。

🌏 豊富な対応言語

Translateは現在以下12の言語に対応しています。

🇺🇸英語、🇯🇵日本語、🇨🇳中国語(簡体・繁体)、🇸🇦アラビア語、🇫🇷フランス語、🇩🇪ドイツ語、🇵🇹ポルトガル語、🇪🇸スペイン語、🇷🇺ロシア語、🇮🇹イタリア語、🇹🇷トルコ語、🇨🇿チェコ語

英語からはすべての対応言語に翻訳できますが、英語以外の言語からは英語のみに翻訳できます。対応言語の追加も予定されています。

🚀 API形式ですぐ利用可能

TranslateはAPI形式で提供されており、利用者はテキストデータを送信するだけで結果を得られます。API形式のため自分のネットワーク内にTranslate用サーバーを構築するなどの作業も不要です。

🎓 成長する翻訳システム

ニューラルネットワークベースの翻訳エンジンのため常に学習し続けています。原文のコンテキスト(文脈)や、直前まで翻訳した内容も勘案し、自然な翻訳を提供することができます。

⏰ バッチ翻訳もリアルタイム翻訳も

書籍など大量のテキストの翻訳にはバッチ翻訳、チャットや音声など入力された内容を即時応答するリアルタイム翻訳と、サービスに応じて使い分けることができます。

Amazon Translateを試す

AWSのアカウントを持っていれば、管理画面よりノンプログラミングでTranslateを試すことができます。

ビジネス文書の翻訳

例としてAmazon.comの利用規約から一部引用し翻訳してみました。

What Personal Information About Customers Does Amazon.com Gather?

The information we learn from customers helps us personalize and continually improve your Amazon experience. Here are the types of information we gather.

Information You Give Us: We receive and store any information you enter on our Web site or give us in any other way. Click here to see examples of what we collect. You can choose not to provide certain information, but then you might not be able to take advantage of many of our features. We use the information that you provide for such purposes as responding to your requests, customizing future shopping for you, improving our stores, and communicating with you.

Amazon Translateで和訳した内容は以下です。

Amazon.comが収集するお客様の個人情報

Amazonが購入者から得た情報は、Amazonがパーソナライズし、出品者のAmazonエクスペリエンスを継続的に改善するのに役立ちます。 収集する情報の種類は次のとおりです。

お客様が当社に提供する情報:当社は、お客様が当社ウェブサイトに入力された情報、またはその他の方法で当社に提供された情報を受け取り、保管します。 ここをクリックして、収集する情報の例を示します。 特定の情報を提供しないことを選択することもできれば、当社の機能の大部分を利用できない場合があります。 当社は、お客様からご提供いただいた情報を、お客様のご要望への対応、今後のショッピングのカスタマイズ、店舗の改善、お客様とのコミュニケーションなどの目的で使用します。

句読点が多く機械翻訳的な固さを感じる文章ですが、内容は概ね把握できます。「Customers」から始まる文脈を理解してか、「You」を「お客様」と翻訳している点は優秀なのですが、「特定の情報を提供しないことを選択することもできれば〜」という翻訳はマヌケです。

同じ文章をGoogle翻訳にかけてみました。

Amazon.comが収集する顧客に関する個人情報は何ですか?

顧客から学んだ情報は、Amazonの経験をパーソナライズし、継続的に改善するのに役立ちます。 私たちが収集する情報の種類は次のとおりです。

あなたが私たちに与える情報:私たちはあなたが弊社のウェブサイトに入力した情報を受け取り、保存します。 私たちが収集するものの例を見るには、ここをクリックしてください。 特定の情報を提供しないことを選択できますが、多くの機能を利用できない可能性があります。 私たちはあなたの要求に応えたり、将来の買い物をカスタマイズしたり、店舗を改善したり、あなたとコミュニケーションをとるなどの目的で提供した情報を使用します。

率直なところGoogle翻訳の方が自然な内容に読めます。

Translateに比べ句読点が適切で文章が滑らかなためか柔らかい印象です。Translateでマヌケな翻訳だった箇所も自然です。しかしTranslateと異なり「You」は「あなた」と直訳しているので、文脈の把握はTranslateに強みがあります。

童話の翻訳

固いビジネス文章ではなく、次は童話「三匹のこぶた」の冒頭を引用し翻訳してみました。

Once upon a time there was an old Sow with three little Pigs, and as she had not enough to keep them, she sent them out to seek their fortune.

The first that went off met a Man with a bundle of straw, and said to him, “Please, Man, give me that straw to build me a house” which the Man did, and the little Pig built a house with it. Presently came along a Wolf, and knocked at the door, and said, “Little Pig, little Pig, let me come in.”

昔々、3つの小さな豚を持つ古い種があった、と彼女はそれらを保つのに十分ではなかったので、彼女は彼らの幸運を求めるためにそれらを送った。

最初は、ストローの束を持つ男に会い、彼に言った、「お願い、男、私に家を建てるために私にそのわらを与えて」男がやったし、小さな豚はそれで家を建てた。 現在、オオカミと一緒に来て、ドアをノックし、「小さな豚、小さな豚、私は入ってみましょう」と言いました。

うん…まあ固いというか滅裂な翻訳です…

同じ英文をGoogle翻訳にかけた結果は以下です。

かつて、豚に3頭の小さな豚がいました。彼女は豚を飼っていないので、幸運を求めるために彼らを送りました。

最初に出て行った人は、わらを束にして男に会って、「男よ、私に家を建てるためにわたしを育ててください」と言って、小さな豚がそれを使って家を建てました。 現在、オオカミに沿って来て、ドアをノックして、 “小さな豚、小さな豚、私を入れさせてください”と言った。

どっちもどっちな印象です…

簡単な文章なら結果も分かりやすいかなと思いましたが、むしろ子供向けの表現に機械翻訳は弱いようです。童話は文化に適した意訳も多く盛り込まれていますし、文章を読む対象まで機械翻訳は把握できないので難しい領域かもしれません。

以上試した結果、以下の印象を得ました。

  • 原文の体裁がしっかりしていればAmazonもGoogleも概ね正しく翻訳できる
  • 翻訳の自然さはGoogleの方が上
  • 文脈を読み取る能力はAmazonの方が上

とはいえAmazon Translateは2018年4月に公開されたばかり、日本語も対応したばかりのため今後の伸びしろは大きいと思われます。

Amazon Translateの料金

Translateの料金は「 100万文字 15USD (0.000015 USD/文字)」とシンプルです。

たとえば自社メディアサイトの英語版を構築しようとした場合、1ページ3000文字、1日20本の記事で利用した時の月額は以下の計算になります。

3000文字 x 20本 x 30日 = 180万文字/月
1,800,000文字 x 0.000015USD = 27USD

約3,000円で海外版サイトができる計算になります。

さいごに

今回は Amazon Translate の特徴から料金についてご紹介しました。

Googleなど無料の翻訳があるのになぜ有料を使うの?とも思われそうですが、Googleもクラウドシステムと連携した膨大な翻訳には「TRANSLATION API」という有料サービスを提供しています。

スマホアプリの音声翻訳のほか、近ごろ流行しているチャットサポートのリアルタイム翻訳など、グローバルな顧客対応への用途に期待できるサービスです。

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